北海道試され鉄道旅 Chapter-3の解説

Chapter-3の解説。


と、その前に…
●「輸送密度」画面の見かたを説明します

この動画シリーズでは、JR北海道の路線紹介の際に以下の表示がされます。

↑左下の「輸送密度」は、交通機関の1日1㎞当たりの平均輸送量を示す数字で、
JR北が 存廃の判断基準の基本としているのは「輸送密度」です。
この輸送密度が低ければ低いほど廃線となるおそれが高いのです。
JR北海道が示した指標は次の通り。

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一方「すでに話し合いを始めている線区」もあります。
こういった路線は自治体との協議を通じて、存廃などが決まることになります。「輸送密度」もなんとなーくご注目ください。


※この動画では、日高線を除き2015年度の輸送密度データを基にしています
日高線のみ2014年度のデータです)

●室蘭6:12発 普通/苫小牧行き(JR北海道キハ40-1763+キハ150-101)


朝早いためか、室蘭時点では人はあまり乗っていませんでしたが
苫小牧に近づくにつれて乗客の数が増していきます(主に学生)。

ちなみに、普通列車東室蘭~苫小牧間は全列車が気動車です
(かつては電車も普通列車運用をしていましたが、旧型車両置き換えの際に気動車化されました)
で、テロップで「ほぼ全て」としたのは、
L特急すずらんに化ける室蘭支線普通列車が“電車”だから。


輸送密度7,270は東室蘭~苫小牧の「北斗」が要因でありましょう。なにせJR北海道の特急で2番目の利用者数ですので(ちなみに1位は「スーパーカムイ」)




王子製紙苫小牧工場。とある棟の屋根に「OJI PAPER」と書かれているので実は空撮でもわかっちゃう。
実は、この工場と日高線の生い立ちには深い関係がありまして…


●苫小牧7:43着

網走チェックポイントちょうど500km手前の苫小牧駅


2017年3月ダイヤ改正で「L特急」でなくなり、そして785系唯一の拠り所となるすずらん
指定席は5両中1両のみ、
東室蘭~室蘭間は普通列車となります(「札幌~室蘭方面」という表現にしているのはそのため)


そして今回の主役の登場です。

日高線の一部区間はもともと王子製紙の子会社が、製紙に必要な植物繊維「パルプ」の原料となる木材を運ぶ馬車鉄道が発端でした。それが国有化・改軌・延伸をして現在の苫小牧~様似間となりました。


が、少子化・過疎化やモータリゼーションの進展で徐々に利用者が減少。
追い打ちをかけるかのように、2015年に高波被害・2016年に台風でさらなる被害を受け、
鵡川~様似間が運休、そしてJR北海道の経営状況悪化で鵡川~様似 間 復旧断念”に至りました。

日高山地・競走馬の産地・太平洋…
沿線の観光資源はあるのですが、利用されないとちょっとつらいですね…


日高線をホームグラウンドとしているキハ40系「優駿浪漫」。
このあと、思わぬところで出会うことになります。

では次回をお楽しみに。ノシ