©千代田線プロジェクトNEXT 第7話の補足・解説

 

©「特別運転」をとらえ…られませんでした。

はい、特別運転の日は仕事でした。なので仕方なく綾瀬の車庫に行って敷地外からヘッドマーク営団マークのついた6000系を撮ってきました。

しかし、11月11日の最終日、先頭10号車を中心に結構大荒れだったようで…撮れ高より安全確保に努めてほしいものです。


ちなみに、動画では「50年の歴史に幕」という表現を結構用いていますが、これは最初の第1次試作車の製造年から計算しているからです。
こちらのヘッドマークは「47年間おつかれさま!」となっています。6000系が千代田線で営業運転を始めたのは1971年の量産車登場からなんですよね。


©6000ハイフン

で、50年前に登場した「6000系最初の編成」が、第1次試作車”6000ハイフン”
チョッパ制御装置を世界で初めて採用した編成で、これらのテストのため当初は東西線を走っていました。その後、AVF式チョッパ制御装置やVVVFインバータ制御の試験につかわれ、1979年からは抵抗制御の装置に取り替えたうえで北綾瀬支線の運用に就きました。
2014年に営業運用を退き、2018年現在は訓練車両として使われています。


©第2次試作車・量産車の増備
【第2次試作車】
1969年に第2次試作車が登場。こちらも東西線で試験運転をした後、1971年から千代田線(本線)での営業運転を開始しました。ちなみに、第2次試作車は量産車と比べて裾が長いため車両限界の問題があり、小田急線に入ることができませんでした。

【量産車】
1971年から導入が始まり、ここでついに「サイリスタ・チョッパ制御装置」の量産が始まります。
このうち、1971年~1977年に製造された編成は、もともと2段窓(いわゆる田窓)で製造され、1981年~1990年に製造された編成は1枚下降窓に変更されました。
最終的には、試作車・量産車含めて3両編成1本・10両編成35本=計353両製造されました。


ちなみに、運転区間の説明の時に「営業列車として運転していた区間」という注釈をつけています。
これは、回送や試運転の際に小田急小田原線の本厚木から西(伊勢原、新松田あたりまで)への乗り入れがあったためです。
現在、東京メトロ千代田線車両が営業列車として運転する区間の最西端は 伊勢原駅 ですが、本厚木~伊勢原間での営業運転は2018年3月のダイヤ改正から。それより前に小田急線から撤退した6000系は、本厚木までしか営業列車として運転していません。


©車両更新工事
まず、この話に入る前提として「C修工事」と「B修工事」について説明しておきます
東京メトロでは、以下のような工事を行う方針を営団地下鉄時代からたてていました。
C修工事…製造・B修工事から約10年経った車両に実施。ゴム材や床などのお直しをする。
B修工事…製造から約20年経った車両に実施。車体修理・廃線取り換えなどをガッツリやる。
ここでは「B修工事」のことを、わかりやすく「車両更新工事」として話を進めていきます。


B修工事は1991(平成3)年からスタート。
6000系自体、10両編成の車両だけでも製造期間が1969~1990年と長かったこともあり、B修工事も時期によって施工の仕方が大きく異なります。
▼1991年…行き先表示のLED化・自動放送装置の設置
▼1995年…上記に加えて・2段窓→1段下降窓への変更・車いすスペース設置・VVVF化など
▼2003年…1981年以降に製造された車両の更新を開始 乗降ドアの窓大型化など
その他「きのこ形」と呼ばれた貫通路にドアが設置されたり、ドアチャイムが追加されたり等の改造も施されています。


©新型車両の導入…淘汰へ

しかし、6000系の最初の編成が登場してから40年以上が経過し老朽化していることや、小田急線の保安装置更新が控えていることもあり、2010年から16000系への置き換えが始まり、2012年にはチョッパ制御の6000系が全滅しました。

2014年には北綾瀬支線を走っていた第1次試作車“6000ハイフン”の営業運転が終了し、こちらは東西線から転用され3両編成に短縮された05系に置き換えられました。

そして2015年、16000系4次車(黄色い帯が入った方)の導入が始まり、16000系は2017年秋までに(1次車~3次車とあわせて)10両編成37本導入されました。

これにより、のこりの6000系の淘汰も開始。2017年秋の16000系導入完了以降は、保安装置工事が行われている車両の分を補うため10両編成2本のみが残る形となりましたが、ついに2018年秋に全車引退となりました。

6000系は、多くの編成がインドネシアに渡って活躍していますが、一部編成は解体されました。


©作者感想・千代プロのこれから
ついに6000系が引退しました。子供時代に乗降扉の小さな窓に背が届かず車窓が見えなかったり、きのこ形の貫通路が特徴的だったりと、思い出深い車両だったので寂しいですね…

実は今回の動画の編集は1年ほど前から進めていて「引退したらそのシーンを入れてすぐ完成・うpできるように」という状態にしてありました。
しかし、いざ引退となると「特別運転」が撮れず、このままだとあっさりした終わり方になりそうだったので、動画の最後に6000系の映像集みたいなものを作りました。
特別運転自体も大荒れでしたし、こういう事態に備えていろいろ撮っておいてよかった…

さて、2016年からお届けしてきた「千代プロ」シリーズですが、最後に残る「北綾瀬」で最終章となります。前回ご紹介したように、北綾瀬ではホームの10両編成化工事が着々と進んでいて、その様子を逐次撮影中です。次はその北綾瀬10両編成化のタイミングで新作を出します。
ではノシ