©千代田線プロジェクトW 第3話の補足・解説

2018年2月7日追記;千代田線プロジェクトW 3話を2017年12月に投稿しましたが、
一部改めるべき表現があるため「3.1話」を制作し、差し替えました。
2018年2月9日追記;誤りの訂正のため再投稿しました。ご迷惑をおかけしましたことをお詫びします。

「千代田線プロジェクト」第2話の次ということで、「W」は第3話からです。

 

→【ダイヤ改正告知①】 http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8701_5820170_.pdf
→【ダイヤ改正告知②】 http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8731_0522542_.pdf
→【多摩線での運行】http://www.odakyu.jp/support/20180123145349ac137f35.pdf

東京メトロのプレスリリース
http://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews20171215_143.pdf
京王電鉄のプレスリリース→https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2017/nr180124_keio-liner.pdf

などを基に構成しています。

©まず、はじめに…
①「千代田線プロジェクト」1話・2話をご覧ください。

小田急線の2016年ダイヤ改正時点での路線図(以下)を頭に入れておいてください。

この4つの種別を覚えておけば問題ありません。あとは動画内でご紹介します。


©小田急線(梅ヶ丘~代々木上原複々線化!千代田線への影響は

上記、
で示した区間が2018年3月3日に複々線することになりました。
※このうち、東北沢~代々木上原 間は1978年~2005年まで地上で複々線化していたため、13年ぶりの複々線化。
で示した区間は、2009年までに複々線化した区間
※1997年に和泉多摩川~喜多見が、2004年に喜多見~梅ヶ丘が、2009年に登戸~和泉多摩川複々線化しました
区間は、地区の再開発計画との兼ね合いで3線での運用です(上りが2線・下りが1線)

※前作まで「向ヶ丘遊園代々木上原複々線化」と、3線区間を含めて「複々線化工事をしている」と表現していましたが、第3話では「登戸~代々木上原複々線化」という表現に改めます。


こちらは各停用の地下トンネル、世田谷代田駅のホーム。各停用(緩行線)とはいいますが…
千代田線方面行の電車(上り)は…急行・準急・各停・通勤準急問わず緩行線を通り
千代田線から来た電車(下り)は…急行が急行線準急・各停が緩行線を通ることに。


©多摩急行・千代田線~多摩線直通急行 廃止
これは、事実上常磐線~千代田線~小田急小田原・多摩線ルートを“東京9号線”として構築を進めてきた歴史を振り返ると、衝撃的なものとなりました。

動画では、その理由として3つ挙げましたが、もう少し掘り下げていきましょう。

①千代田線直通電車 多摩線入線の是非

千代田線~多摩線 直通電車は“東京9号線”ルートを構築したものの、果たしてメリットはどれくらいあるのか…という話ですが、全要素を詰め込んでしまうと尺を食うので、動画では「世田谷地区の強化」という観点を取り上げました。

ここで、千代田線~多摩線 直通電車の混雑度合いを記していきます。

【上り】
列車は、多摩線自体の区間が短いこともあってか比較的空いていて(とはいえ平日の朝ラッシュ時は多摩線の時点で立ち客は出ます)多くは小田原線内からの乗客。
平日の朝は、成城学園前~下北沢間が小田原線内からの乗客で大混雑します
日中は登戸で降りる客がいるものの(南武線への乗り換え客とみられます)、成城学園前でまた乗客が増えます。
千代田線に直通する電車でも代々木上原で新宿に乗り換える乗客は一定数います。なお、千代田線内も平日の朝ラッシュ時は大混雑です…

【下り】
夕方以降は多摩急行が中心となりますが、千代田線からの乗客は成城学園前、登戸で少しずつ降りていき、新百合ヶ丘で多くの人が降りて町田方面への乗り換えます多摩線内は空席がぽつぽつ出ます。

さらに、平日の朝ラッシュ時には本厚木・海老名方面➡千代田線直通準急があるのですが、
この電車が大変な混雑です。これを踏まえて2018年3月17日からのダイヤを見ていくと…

【朝ラッシュピーク時(平日 下北沢8:00前後の1時間に到着する電車)
本厚木・海老名・相模大野➡千代田線通勤準急6本(10分おき)
向ヶ丘遊園➡千代田線各停6本(10分おき)

【日中】
向ヶ丘遊園~千代田線準急3本/時土休日成城学園前~千代田線準急3本/時

【平日 夕方以降】
千代田線➡本厚木・伊勢原方面急行2本/時
千代田線➡成城学園前準急2本/時千代田線➡本厚木・伊勢原方面準急2本/時
千代田線➡成城学園前各停2本/時

準急の混雑対策と同時に、8両分の長さしかなかったホームの10両編成化工事で各停運用が可能となった世田谷地区の強化を図ったことがうかがえます。
あわせて③で述べる京王線対策で「多摩線~新宿」の輸送を強化する兼ね合いから
多摩急行などの廃止を決断したようです。

複々線化の進捗による変化

“東京9号線”ルート構築の大きな一歩を踏み出した多摩急行複々線化以前の2002年。
その当時、多摩線内から新宿・千代田線方面への最速列車は多摩急行でした。

ここで登場するのが快速急行。本来は「湘南新宿ラインへの対抗」の意味合いを持たせた種別ですが、さらに新たに「京王線(間接的に)対抗する」役割が与えられたのが2016年のダイヤ改正でした。これを表すのが、新百合ヶ丘での“接続”なのです。


ちなみに、下り(千代田線➡多摩線)の“接続”はありません。
※一応、千代田線からの急行が代々木上原に到着した1分後に隣のホームから快速急行(新宿始発)が出る設定になっていて、快速急行➡急行乗り換えはできますが、逆は千代田線からの急行が遅れるともう無理です。
2016年ダイヤ改正以降も、下りと朝夕は千代田線~多摩線直通急行多摩急行が最速です。

③京王への対抗策強化

千代田線~多摩線直通急行
多摩急行自体が京王(+都営新宿線)への対抗策なのですが、正直これだけでは弱いなぁ…という状態です(でも、朝ラッシュ帯は小田急の一部列車が所要時間で京王に勝っています)。2017年12月現在の所要時間と運賃は以下の通り。

●朝ラッシュピーク時(上り 7:45~8:45に新宿に到着)
現在… 小田急45~54分 vs 京王49~55分

この時間の小田急は、多摩線新百合ヶ丘小田原線急行に乗り換え…というパターンが多いダイヤとなっています(なお、この時間帯の最速45分は7:42発の千代田線直通急行代々木上原急行新宿に乗り換えて8:27着)。
一方の京王は、急行区間急行中心のダイヤ構成となっています。
小田急の新ダイヤでは、多摩センター → 新宿を40分で結ぶ通勤急行を10分おきに運行(6本中4本は小田急多摩センター始発)して、時間で京王より優位に立とうとしています。
※通勤急行が10分おきなのは、快速急行が通過する向ヶ丘遊園成城学園前の補完という意味も…?
・京王も2018年2月22日にダイヤ改正。停車駅をしぼり、乗り換えなしで新宿へアクセスする準特急を投入し、多摩センター→新宿を40分前後で結びます。

●日中
現在… 小田急35分(下りは39分) vs 京王31分(下りは30分
先述した「多摩線内は千代田線直通急行新百合ヶ丘快速急行乗り換え」で、小田急多摩センターと新宿を35で結びます
(下りは新宿始発快速急行代々木上原千代田線からの多摩線唐木田急行に乗り換え」で39分
一方の京王は、準特急京王多摩センター~新宿を上り31分、下りは30分で結びます。
小田急の新ダイヤでは千代田線直通急行急行新宿に置き換えられますが、新百合ヶ丘の“急急接続”は生きる上、快速急行が登戸停車になることを含めても、梅ヶ丘~代々木上原 間の複々線化でスピードアップが図られるため、同区間33で結びます(2分短縮

●夕方以降下り)
現在…小田急40分前後 vs 京王29分

小田急は、新宿始発快速急行急行新百合ヶ丘各停乗り換え or 代々木上原新百合ヶ丘多摩急行に乗り換えといったパターンがありますが、いずれの場合も新宿から小田急多摩センターの所要時間は40分前後です。
一方、強さが目立つ京王。“橋本特急”を投入しています。
・2018年3月からの小田急新ダイヤでは、これに対抗して多摩線快速急行を投入。新宿と小田急多摩センターを最速33分で結びます。
・京王も2018年2月22日から相模原線京王ライナーを投入し、最速の深夜便では新宿→京王多摩センター最速24分で結びます。速達性勝負が熾烈さを増しそうです。

一番気になっているのは Q,なんです?
▼値段だ(新宿~多摩センター 運賃)
現在…小田急370円 vs 京王339円(切符340円)
京王は2018年3月から319円(切符320円)に値下げ相模原線の建設費回収が進んだことが理由ですが、小田急は運賃面で厳しい戦いを強いられそうです。

©千代田線のダイヤ改正は…
朝夕の小田急線直通電車の増発と、朝ラッシュ時の代々木上原霞ヶ関 間の増発、ロマンスカーの「メトロさがみ」廃止、「メトロモーニングウェイ号」「メトロえのしまメトロはこね号」(土休日のみ)の登場が挙げられています。


©平日1本だけ「各駅停車唐木田
「3.1話」への差し替えのきっかけがこの列車。

成城学園前で急行に乗り換えると、栗平・永山・多摩センター・唐木田に早く着くのはもちろん、新百合ヶ丘始発各停(1本速い各停)にも乗れます。


©早速、ダイヤ改正に向けた動きが

当駅から千代田線へ、都心にダイレクトアクセス」という横断幕、千代田線直通電車廃止に伴い取り替えられました。これ完全に京王への挑発でしょ…

2017年12月から、東京メトロ千代田線・小田急線の車内自動放送の更新が行われていることがわかりました。小田急新種別への対応のためとみられます。
小田急線の新放送については以下の動画で。


なんか、千代田線プロジェクトと名乗る割には小田急回になってしまいましたね…(そもそも千代田線のダイヤ改正自体小田急線絡みがメインなんですが)
次回は2018年3月になるかと思います。それではまたノシ